【三井住友銀行】米ドル定期預金の金利5.3%引き上げはビッグニュースなのか?

2023年9月25日に三井住友銀行が米ドル定期預金の金利を年0.01%から5.3%に引き上げました。
約500倍の引き上げです。
しかもこの金利は、満期後自動継続の場合、満期日に当初預入時と同一期間の店頭金利で継続されます。
こちらのニュースに注目された方も多いと思います。
なぜ500倍も引き上げられたのか、その背景を深掘りするとともに、米ドル定期預金の金利がもらえるタイミングや発生する税金、米ドル定期預金のデメリット、そして私たちの資産運用に米ドル定期預金は適切なのかについてじっくり考えていきましょう。

1.なぜ引き上げられたの?

公式発表からの引用です。

SMBCグループ では、外貨を「資産運用・資産価値の安定化・決済などの多様なニーズにお応えする資産」と位置づけ、外貨関連の幅広いニーズにお応えできるよう努めております。今般、通貨分散を通じたお客さまの資産価値の安定化への取組を強化する為、パーソナル外貨定期預金(米ドル)の金利を引き上げることとしました。

でも、とっくにネットバンクの米ドル定期預金の金利は年利約5%(税引き前)なんです。

ソニー銀行:年5%(キャンペーンで2023年11月30日まで円からの預け入れで年9%)
auじぶん銀行:5.3%。
SBI新生銀行:5.3%

なので、今回の驚くポイントは「大手」の三井住友銀行が「ネットバンク」と同レベルに金利を引き上げたことです。
「大手」の安心感で、米ドル定期預金の集客を狙っていますね。公式発表の「幅広いニーズにお応え」ということなんでしょう。
今後、他のメガバンクや楽天銀行なども引き上げに追随する可能性がありますね。

2.金利がもらえるタイミングは?

満期日に円普通預金等に預け替え、収益または損失を確定する際に金利を受け取れます。
満期の際には、外貨のまま運用を継続できますし、解約して外貨普通預金に入金できます。別途手数料が発生しますが外貨現金等に替えて外貨として使うこともできます。

3.米ドル定期預金の金利の受け取り時の税金は?

利息外貨預金で受取る利息に対する税率は、一律20.315%となります。年5.3%の金利も税引き後は4.2255%になります。

内訳

所得税:15.315%
住民税(地方税):5%

4.米ドル定期預金のデメリットは?

米ドル定期預金のデメリットは以下のものがあります。

為替変動のリスク
元本割れリスク
為替手数料
満期を迎える前に解約できない
受け取り時に税金が発生

まとめ・米ドル定期預金は資産運用として魅力的なのか?

最近は円安が続きますし、メガバンクの円の預金金利は普通預金で0.001%、定期預金で0.002%ですから、米ドル外貨定期預金に魅力を感じると思います。
しかし米ドル定期預金は定期だけに満期を迎える前は解約できません。
円安のタイミングで円転換もできません。資産に流動性がないのもデメリットに感じます。
円を外貨にかえるタイミングや、外貨を円転換する時には、為替手数料が発生します。
受け取り時に税金が発生するので、税引き前の金利が年5.3%程度では効率的な資産運用とは言えません。
どうしても米ドル定期預金に挑戦したい方は、2023年11月末までに円高のタイミングを待ってソニー銀行で金利年9%のキャンペーン中にやった方がいいです。
三井住友銀行でやるメリットは感じられないです。
米ドル定期預金に充てる資金があるなら、NISAやつみたてNISA、新NISA、iDeCoにあてて非課税で運用した方が良いという結論に至ります。
ただ今まで、三井住友銀行の米ドル定期金利の金利が年0.01%という状態だったのは、金融商品として本当に無意味な存在だったので、金利が引き上げられたという一点においては資産運用を考える身にとっては良いニュースだったと考えています。

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