投資詐欺に遭わないために気をつけたいこと

「投資は怖い!」と考えている方いらっしゃいますか?
その感覚や慎重さはある意味持ち続けて欲しいです。
何故ならどうしても「投資」や「資産運用」という言葉の近辺には、お金儲けをしようとする人の心の隙をついて「詐欺をしてお金をいただいてしまおう!」という悪い輩が湧き出るからです。しかも詐欺を行う人は明確に詐欺をする気マンマンで近寄ってきて、グイグイ来るのです。
では、どうすれば投資詐欺に遭わないのでしょうか?
「これちょっとおかしいな?」とすぐに気づけるように、具体的な予防方法をまとめてみました。

1.SNSのDMでの投資の話は100%詐欺

旧TwitterやInstagramのダイレクトメールでくる儲け話は100%詐欺案件です。
投資アドバイザーや投資顧問契約勧誘や暗号資産などの金融商品取引などの勧誘もありますが、SNSで「投資の知識0でも2,400万円儲けた私…詳しくは概要欄へ」などの投稿や類似最多広告にもご注意ください。
知らない人の誘いは完全にNGですが、顔見知りの人からのDMも要注意です。
詐欺の種類としてはポンジ・スキームがメインです。「出資してもらった資金を、元本保証・高利回りで運用し、その利益を出資者に配当金などで毎月還元する」などと嘘を騙ります。
詐欺によるお金集めが目的ですので、実際には資金運用の実態はありません。
信頼させるために偽りの配当金が分配されたりしますが、それは擬態です。
まず「元本保証・ノーリスクでハイリターン」という投資話はありませんので、ノーリスクと言われたらまず詐欺だなとピンときましょう。

2.今の詐欺トレンドは「誘惑系」ターゲットは高齢者から18歳へ

私は具体的な内容での投資詐欺のDMを受け取った事はないのですが、旧Twitterで英語学習について、メモがわりに投稿していたアカウントに「英語活かして副業ですか?」という副業セミナー詐欺の疑いのあるDMを受け取ったことがあります。またなぜか妙齢の男性と誤解させたのか、大量のパパ活女子風のアカウントから「六本木で飲んでます!一緒に飲みませんか?」とDMが来たことがあります。魅力的な女性の写真を使ったアカウントで仲良くなってから、投資などの勧誘をする詐欺パターンかなと思いました。本当にあの手この手で搦め手でDMが来ます。
近年は、高齢者を狙った「脅迫系」の「オレオレ詐欺」から、18歳で成人した学生や新社会人をターゲットにした「誘惑系」の詐欺被害が増えています。
具体例をあげますと、2023年春に一斉に容疑者9名が検挙された暗号資産系マルチ商法グループ「マーケットピーク」です。その被害者は全国で2500人以上、集めた額は7億円以上でした。
被害者の皆さんを勧誘したのは、幼馴染や大学で知り合ったお友達や先輩などでした。
新生活で人間関係が希薄で不安定な時は特に狙われやすいですが、幼馴染や音尾だちの勧誘はタチが悪いです。

マルチ商法はネットワークビジネスとも言われ、そのネットワークに参加した人がさらに参加者を広げていく取引です。 参加者の紹介や商品販売でマージンなどの利益があることをメリットとして勧誘します。
「マーケットピーク」暗号資産を利用したマルチ商法でしたが、参加するための強制的に借金をさせられていました。
18歳成人なので、消費者金融からお金を借りれてしまいますし、疑ってかかりたいですが、幼馴染やデートをしている相手、尊敬している先輩から詐欺をかけられると「その人自身を疑っていない」ので詐欺の被害にあってもあわなくても精神的ショックが大きいですよね。
ただし、残念ながらこれらは使い古された手法でもあるんです。
「ちょっとおかしいな」と気づくポイントや、「マルチの人かさようなら」とキッパリと縁を切る強さが必要です。
ただ「キッパリ断りましょう」というのは精神論です。
では、次の章からは詐欺からご自身を守るために「必ず確認するポイント」をじっくり見ていきましょう。

3.無登録・無免許等で事業を行っているかチェック!

日本の居住者向けに金融商品取引行為を業として行う場合は、日本での金融商品取引業の登録が絶対に必要です。登録をしていないことに対し投資を薦めてきた人が「本社は海外だから」
「限られた選ばれたした人しか知らされないから」
とか言い訳したら完全にアウトです。
業者の所在地が海外であっても、日本の金融商品取引業の登録が必要です。
投資の話を持ちかけられたら、この時点で確実にクロですが、必ず相手方業者の登録を確認してください。
見栄えのよい綺麗なHPや決算のシステム、アプリなどを見せられても、HPやアプリなんて簡単に作れます。真っ当であることの証拠にはなりません。
登録の有無及びその連絡先は金融庁のHP「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で確認できます。
また、無登録で金融商品取引業を行う者の名称等についても金融庁のHPでまとめられてます。
この世の中にどんな詐欺があるのか見るだけで詐欺被害の防止になります。
金融庁のHPを見るということだけで投資詐欺に遭わないための防御力がアップしますし、金融や資産運用の正しい知識が身につきますのでおすすめです。

4.騙りをする無登録業者がある

登録業者の名を騙る無登録業者もあります。詐欺の世界はなんでもありです。
無登録で金融商品取引行為を行っているとして、金融庁が警告を行った者の名称等はこちらをご覧ください。

5. 金融庁が注意喚起・問題視している投資にも注意!

金融庁が既に注意喚起をし、問題視をしている投資があります。
注意喚起のポイントは「仕組みが複雑な金融商品を顧客にリスクを含め理解されているか」「他にも適切な商品があるのに、手数料の高い商品を紹介していないか」
「その金融商品で詐欺行為が行われていないか」です。
それでは具体的に見ていきましょう。

暗号資産(仮想通貨)

2020年から法令上、「仮想通貨」は「暗号資産」へ呼称変更されました。
暗号資産は1,000種類以上ありますが、その中でもビットコインなどが有名ですね。
2017年4月1日から、「暗号資産」に関する新しい制度が開始され、国内で暗号資産と法定通貨との交換サービスを行うには、「暗号資産交換業」の登録が必要です。
ところが、たくさんあるんです。登録していない会社。
そして暗号資産を利用した被害も甚大です。
2021年には金融庁・消費者庁・警察庁からガッツリ警告がでています。
SNSやマッチングアプリ、出会い系アプリでも勧誘が盛んです。
暗号資産は現在の詐欺トレンド「誘惑系詐欺」に頻繁に悪用されてしまっていますね。

バイナリーオプション

2020年2月に金融庁から注意喚起されています。
通貨ペアの為替レートが一定時間後に、指定したレートを上回るか下回るかを予測する取引です。
目標レートより円安になるか円高になるか選択して、結果が予測と同じならペイアウトして、違うなら0円になります。
「上がるか下がるか当てるだけ」のシンプルな取引に見えますが、実際には専門の知識と経験とリサーチが必要な複雑な金融取引です。
このバイナリーオプションも投資詐欺に活用されました。
大学生など若年層を中心に友人やSNSを通じて「短期間で簡単に儲かる」と勧誘され、分析ツールが入ったUSBなど情報商材の高額購入や、勧められた海外無登録業者と取引などの詐欺被害に遭われた方が多くいらっしゃいます。「この分析ツールを使えば絶対にすぐに勝てる」などの勧誘がなされました。
資産形成のために高額の商材やツールを買ったり、消費者金融にお金を借りるのはその時点で本末転倒です。

ソーシャルレンディング

2019年3月に金融庁が注意しています。
ソーシャルレンディングとは、企業が不特定多数の出資者から資金を調達するシステムです。 「事業資金が必要な企業」と、「出資で得る利息でお金を増やしたい投資家」をマッチングさせる仕組みです。
これも詐欺の巣窟になっています。ソーシャルレンディングの仲介者は第二種金融商品取引業の登録を受ける必要がありますが、登録を受けていない業者の募集もあり、高確率で詐欺案件です。
登録業者であっても、金融庁や財務局が、その業者を100%信頼できるわけでもありません。
厳しい目で情報を精査し、取引内容を十分に理解したうえで、投資を行うかどうかの判断をすることが重要です。

外貨建て保険

外貨建ての終身保険や年金保険などは、為替の変動のため、払い込んだ保険料の総額より、受け取った金額の方が少なくなる、元本割れを起こす可能性があり、
円建ての貯蓄性保険と比べ、リスクを負います。
顧客がその為替リスクをはじめとする商品内容を十分に理解した上で、外貨建て保険を選択しているのか、金融業者は適切な説明をしているのか、他の金融商品を提示し比較しているのかという点を金融庁は問題視しています。

ファンドラップ

大手証券会社が知名度の高い俳優を使ってテレビCMを放送していたので、ファンドラップという言葉をなんとなく聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
ファンドラップとは、個人の資産運用の方針をもとに、証券会社などの担当者が複数のファンドを組み合わせた資産配分を提案し、それに運用、管理を行うサービスです。知識が少ない投資初心者や、資産運用に時間や手間をかけたくない人向けのサービスと言われています。
これだけ見ると「良さそうな感じ」がしますが、なぜ金融庁は問題視しているのでしょうか?
問題点は「運用コストの高さ」です。
ファンドラップはファンドの「投資顧問料」「取引等管理手数料」「消費税」などの管理手数料の他に投資信託自体の信託報酬が発生するので、コストが余計にかかります。
例えばSBI証券や楽天証券でアカウントを開設して、投資信託でeMAXISSIim 米国株式(S&P500)の信託報酬は0.09372%以内ですが、
大和証券のファンドラップオンラインでeMAXISSIim 米国株式(S&P500)を選択すると、信託報酬0.09372%の他に、0.21%の投資顧問料、0.79%取引等管理手数料、0.10%消費税が発生します。
1.10%余計なコストが発生するわけです。
長期運用を続けるとこの1.1%がボディーブローのようにジワジワ効いてきます。
そして金融庁もこの運用コストの高さに対しては金融庁も問題視しています。問題視されているのに金融機関が販売を続けているのは、楽して儲かるからです。有名俳優を使ったCMが放送されていたのも、そのコストに見合った採算が取れる商品だったからですね。

仕組債

仕組債とは、1980年代半ばから普及し始めた、一般的な債券にはみられないような特別な「仕組み」を持った債権です。
元々法人向けの金融商品ですが、近年は個人向けにも販売されています。
一般的な債権にスワップやオプションなどのデリバティブが組み込まれています。スワップとは、金利や通貨を交換する取引で、オプションとは、あらかじめ約束した価格で、将来に売ったり買ったりする権利のことをいいます。
一般的な円建ての債券はいわゆる「ローリスク・ローリターン」な金融商品ですが、仕組債はデリバティブが組み込まれているため、通常の債券よりも好利回りで運用することが期待されていますが、変動のある金利や外貨など状況によっては大きく元本割れする予想のつかないリスクの高い金融商品でもあります。
金融庁が仕組債を問題視しているのはまさにこの点です。
「複雑で理解が難しい金融商品であるが、金融機関は顧客にきちんとリスクを説明しているのか?顧客はリスクや商品内容を完全に理解しているのか?」ということが問題になっています。
また、複雑な金融商品のため、顧客に正確な利率が見えにくく、金融業者が高い手数料をとっていたことも問題視されていました。
個人の資産運用のために効率的かつ誠実な金融商品ではないということですね。
2022年6月に金融庁はレポートを公表し、高リスク仕組債の販売への注意喚起が促されました。
また同時期には、ちばぎん証券が仕組み債の不適切勧誘をめぐって金融庁から業務改善命令を受けましたし、大手証券会社や地銀系証券会社、銀行などでは仕組債の販売停止・縮小が行われました。
金融庁のガイドラインでは仕組債の販売の際には、「商品性の見直し」「他のリスク性金融商品との比較提案」「全ての費用等」の開示を行うこととなっていますが、これは金融業者のガイドラインでなく、資産運用をする個人がまず、投資を行う前に必ずチェックする項目でもありますね。

レバレッジ型ETF

2021年6月30日に金融庁は「レバレッジ型ETFへの投資」に対し注意喚起するレポートを公表しました。
レバレッジとは「てこの力」という意味です。ETFはExchange Traded Fundの略で、日本語ですと上場投資信託です。証券取引所に上場され、株式と同様に売買されています。
レバレッジ型ETFは「S&P500の」など対象指数に対してレバレッジの倍の値動きをする、短期投資向けのハイリスク・ハイリターンの商品です。
てこの力を使って、自分の力では動かせないものを動かすように、単純にその日のレバレッジが2倍だとすると、うまくいけば1日で資産1,000万円から2,000万円になる人気の金融商品です。もちろん下落時には2倍の損失のリスクがあります。
詐欺ではありませんが、複雑でギャンブル性の高い金融商品なので、運用には慎重さが必要です。

6. まとめ・詐欺被害に遭わないために

1.SNSの資産運用の勧誘には乗らない。
2.知らない人はもちろんお友達からの資産運用の勧誘には乗らない。
3.自分が理解できない資産運用はしない。
4.高額商材や分析ツールは買わない。
5.高額の投資セミナーには行かない。
6.金融庁のHPを見てどんな詐欺被害があるか、どんな金融商品が注意喚起されているかを知る。
7.世の中には詐欺師がいて、思っている以上に自分に接近するという気持ちをもとう。

正確な知識を身につけ防御力を高め投資詐欺に遭わないようにしましょう。

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