四季報や証券会社のHPには企業の財務状況や投資のための情報が掲載されています。
見慣れない用語は難しく感じます。
「用語を覚えないと株の取引ができない!」と悩んでいる方はいらっしゃいますか?
難しい用語全てを暗記する必要はないです。
銘柄を選ぶ際に確認する基本的なポイントが4点あります。このポイントを見ると株が割安か経営がきちんとしているか、投資した資金が何年で回収できるか、投資した金額が効率的に運用されているかを把握することができます。
それでは一緒に勉強していきましょう!
①PER
まずはこれだけ覚えよう!
PERは低いほど良いです。
PER10倍→投資した資金の回収に10年かかるという理論です。
正式名称
Price Earnings Ratio「株価収益率」
株価(Price)収益( Earnings) 率(Ratio)です。
会社の株価と純利益の関係を表す数値です。
純利益から見た株価が割高なのか割安か見ることができます。
例えばA社の株価が1株1,000円でB社が1株5,000円だとするとどちらの株が割高だと思いますか?
この情報だけでは判断できないというのが正解です。
ここでまず覚えていてもらいたいのは単純に1株1,000円が1株5,000円より割安だと断定できないということです。
計算方法
PERは次の式を使って算できます。
PER(倍)=株価÷1株あたりの純利益
1株あたりの純利益は売上高から原価や販管費、利子や法人税、その他の損益などを引き算した最後に残る純利益を発行済み株式数で割り算して計算されます。
A社の株価が1,000円で1株当たり純利益が100円であれば、1,000÷100でPERは10倍。
A社の株価は1年分の純利益100円に対して10年分の利益を見越した値段がついているともいえます。
A社の株価が5,000円で1株当たり純利益が1,000円であれば、5,000÷1,000でPERは5倍。
B社の株価は1年分の純利益1,000円に対して5年分の利益を見越した値段がついています。
投資した資金の回収にA社10年、B社は5年ということですね。
PERが低ければ低いほど会社が稼ぐ利益に対して株価が割安なんです。
A社とB社、割安なのはB社になります。
②PBR
まずはこれだけ覚えよう!
PBRは1倍以下だと良いです。
正式名称
Price Book-value Ratio 株価純資産倍率
Book-value(帳簿価格)です。
帳簿価格とは、会計上で記録された資産や負債の評価額のことです。
なので日本語訳は株価純資産倍率です。
会社の株価と純資産の関係を表す数値です。
PERと同様に株価の割安性を測れます。
計算方法
次の式を使って計算できます。
PBR(倍)=株価 ÷ 1株あたり純資産
1倍以上なら割高で1倍を割るようであれば割安であると考えられています。
理論上PBRが1倍ということは株価とBPS(1株あたり純資産)が等しいということです。
その投資段階で会社が解散した場合、株主には投資額がそのまま戻ってくるということを表しています。
③ROE
まずはこれだけ覚えよう!
ROE10%以上が資金運用の効率が良い会社という理論です。
正式名称
Return on Equity「自己資本利益率」
自己資本(Equity)に対しどれだけ利益(Return)を得たかを表す指標です。
株主が投資したお金を企業がどう効率的に有効に活用したかがわかります。
計算方法
ROEは次の式を使って計算できます。
ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
当期純利益とは年間の収益から会社が負担する全てのコストを差し引いた後の利益です。
自己資本は貸借対照表から算出します。貸借対照表の純資産の部の項目の中で「株主資本」と「その他の包括利益累計額」を足した物が自己資本です。
ROEが良し悪しの目安は10%。でもここに注意!
企業の負債が多く株主資本が少ない場合にも一時的に利益が上がり、ROEの数値が高くなることもありますので10%以上という数値を過信してはいけません。
また景気が悪いときには相対的に企業の利益も少なくなりROEの数値も低くなります。今後どうなっていくのか、今は買い時なのかそうでないのかなど、総合的に判断していく必要があります。
④ROA
まずはこれだけ覚えよう!
10%以上 とても良いです。
5%前後 良いです。
1~2%程度 普通です。
正式名称
Return on Assets 総資産利益率です。
資産(Assets)に対しどれだけ利益(Return)を得たかを表す指標です。
事業の効率性を示しています
計算方法
ROA は次の式を使って計算できます。
ROA(%)=当期純利益の額 ÷ 総資産額(総資本額) × 100
資産は営業活動において生じる資産、設備投資などによって生じる固定資産、投資活動などによって生じる資産、繰延資産などがあります。
企業の資産の多くは営業活動や事業継続の設備投資のために利用されています。ROAは資産が効率よく有効的に使われいるか見ることができる指数です。
まとめ
・PERは低ければ低いほど良い。
・PBRは1倍を割るようであれば良い。
・ROE10%以上が資金運用の効率が良い会社!
・ROA10%以上(かなり良い)5%前後(良い)1~2%程度(普通)
・投資する銘柄を検討する際にはの数値のバランスの良い銘柄を選びましょう。
このサイトは豊かな資産形成の参考となる情報の提供を目的としています。
勧誘や特定銘柄への投資を推奨していません。
投資に関する決定やリスク管理はご自身の判断でなさるようお願い申し上げます。