2023年10月12日の日本経済新聞のヘッドライン「円安でドル買い権利消失続く 大阪シティ信金は対策窓口」が目を惹きました。
そこで今回は「ドル買い権利消失」について簡単にまとめていました。
1.ドル買い権利とは
「ドル買い権利」とは輸入企業が原材料などの輸入で必要なドルを「一定のレート」で購入する権利です。
2.ドル買い権利消失
予算をたて、利益を試算する企業にとって「ドル買い権利」はセーフティーネットですが、なんと「ドル買い権利」は「消失」するんです。
つまり「最近、円安だけどドル買い権利があるから輸入品目の仕入れ値に影響ないや♪」
とはならないということです。
3.「ドル買い権利」消失の条件は?
企業と金融機関の契約内容によります。
ドル調達の手法「ノックアウト・オプション」がドル買い権利消失の背景の1つとなっています。
金融機関との為替ヘッジ取引で、手数料が抑えられる代わりに、一定の円安水準になると「ドル買い権利」が消失するなどの契約を結ぶと、急激な円安の際にドル買い権利が消失します。
4.消失したらどうすればいいの?
「ドル買い権利」を消失するとスポットでの円売り・ドル買いをしなければいけません。
5.どんな問題が起きるの?
「ドル買い権利」を消失すると企業は円安の状態で、スポットでの円売り・ドル買いをするため、円安がさらなる円安を呼び込む構図が起きてしまいます。
まとめ
2022年の急激に円安が進んだ時には主要5地銀の合計で3,500件でドル買い権利が消失しました。
今回の権利消失数は急激に円安が進行した2022年より抑えられている状況ですが、円安専用の窓口の設置は2014年以来およそ9年ぶりであり、円安が更なる円安を呼んでしまう、予断を許さない状況です。
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