海外駐在や留学では、赴任や滞在の期間、目的、住むエリア、家族構成によって持っていくものが変わります。引っ越し荷物は渡航される国の電圧や水事情、気候、お住まいになる部屋が家具ありか家具なしかでも左右します。しっかりと事前に準備しても、暮らしてみてからわかる「欲しい物」というのはどうしても出てきます。そこで、今回は私の過去の海外生活(中国、インドネシア、ベトナム、スイス)の生活の中で持って行って、意外に役に立った物をご紹介します。
1.SIMフリーの古い機種のスマートフォン
スマートフォンやパソコンは赴任のタイミングで最新の物に買い換えるのを強くおすすめしますが、古いバージョンの端末でも電池交換や割れた画面の交換が日本より格安ででき、実は予備端末として十分に活用できる場合があります。
中国やベトナムでは簡単に電池交換や画面の修理ができました。
もちろん、あまりに古かったり、完全に壊れていると使えませんが、「電池の調子が悪いな」ぐらいでしたら十分復活できる可能性があります。
eSIM対応のスマートフォンですと、SIMカードの入れ替え不要で常時2つの番号を使える設定ができますが、メインのスマートフォンがiPhoneで、2018年よりの前のバージョンでeSIMに対応していなかったり、端末そのものを分けてリスク分散をしたい場合には、古い機種のスマートフォンを使うと現地用のスマートフォンとして十分活用できます。
お子様用の現地スマホとして活用するのもお勧めです。
2.充電ケーブルの予備
スマートフォンやパソコンの充電ケーブルは予備を多めに日本からお持ちになることを強くお勧めします。
私は100円ショップの物を何本か持ち込みましたが「予備があって良かった」と何度もホッと胸を撫で下ろしています。
海外生活といえども、今や世界全体スマホ社会ですので充電ケーブルはどこでも販売していますが、生活に慣れるまで、まずお店を見つけるのが大変です。何本か予備を持っていざいという時に充電できない事態を防ぎましょう。
3.eSIMの登録
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2018年以降に発売されたiphoneをお持ちの方やeSIM対応のAndroid携帯をお持ちの方は現地でSIMを買って、SIMカードを入れ替える必要はなく、日本にいる時点で通信事業者が提供するアプリや、通信事業者のウェブサイトから通信プランを契約しインストールすることで、契約後1時間以内には通信プランを利用できます。
SIMフリーである事が前提ですが、1台の端末で複数回線の使い分けができます。
iPhone の対応機種では 8 個以上の eSIM をインストールでき、同時に 2 つの電話番号を利用できます。
例えば、日本で携帯を契約していて、海外旅行のためにeSIMを使用して7日間だけ通信事業者に海外用の通信プランを契約した場合、設定画面をから操作して有効にすると、日本の携帯のSIMとeSIMを一台の携帯端末で同時に使うことができます。
日本の携帯電話番号が有効ですので、どこの国にいても日本への電話連絡も簡単にできます。通信業者はソラコムやAiraloが使いやすくてお勧めです。
現地で携帯電話の契約が安い場合は、現地で申し込むことをお勧めしますが、eSIMは短期間での申し込みができるので、現地に到着直後すぐに携帯を使いたい時のために最初の1週間だけ申し込むことができます。
また赴任地から他の国へ出張や旅行に行く時や日本に一時帰国する時に必要な期間だけ契約できます。
持ち物とはちょっと違いますが、お友達が遊びに来るときに紹介すると非常に喜ばれます!便利な良い時代が来たなとつくづくと感じます。
4.モバイルバッテリー
以前浅草の吾妻橋付近でリュックにA3サイズの太陽光パネルのような物を乗せて端末を充電しているYouTuber風のバックパッカーの外国の方がいたのですが、あれはその方の自作だったのか…話しかければ良かったと思います。とても便利そうでした。とは言え赴任先や留学先で太陽光パネルを背負うわけには行かないので、お勧めしたいのがAnkerのモバイルバッテリーです。モバイルバッテリーは小さなサイズの物や2,000円台の物をいくつか使いましたが、壊れてしまったり容量が少なかったりと結局使えないものが多かったのですが、Ankerの超大容量のモバイルバッテリーを使い始めてからストレスレスです。少し重たいのが欠点ですが、壊れにくく、スマホを2台同時に充電でき心強く、海外生活の味方です。
5.ネックライト
首から下げるタイプの懐中電灯です。捨てる理由もないから、荷物になんとなく入れたものですが、まさか自分でもこれが役に立つとは思いませんでした。
主に役に立ったのはカンボジアとベトナムです。
カンボジアではアンコールワットの遺跡で朝焼けや夕焼けを見て、暗闇の中足元を照らすのに重宝しました。またカンボジアではレンタルバイクをして、自転車で移動したのですが、そもそもの自転車にライトがついてなかったので、ライトのおかげで無灯火にならず自分の存在をアピールすることができました。
ベトナムでは交通状態が安全ではなく、歩道が歩ける状態ではないのと、街灯が少ないので朝や夕方日の入り後に街歩きをする時に、ドライバーに向かって存在を知らせたい時につけています。携帯電話のライト機能を使っても良いのですが、携帯電話を手に持って歩いているとバイクのスリに見事ひったくられてしまうので、基本道路では携帯電話は出しません。
あとは歩道も車道も穴やヒビが多く、マンホールの蓋もずれていることが多いのでネックライトでチェックしています。暗い時間帯に出かけなければいいのですが…。
6.ピンチハンガー
洗濯物を干すピンチハンガーです。できるだけ軽量で、ピンチが絡まないもの、丈夫なものをお勧めします。
「どこの国にもあるでしょ!」→無いんです。あっても使い辛いです。日本で売ってるものの品質は最高です。
「お手伝いさんがいる予定だからいらない」→お手伝いさんによりますが、用意しないと(きちんと指示を出さないと)想像を超える干し方をされます。赴任先で引っ越し先が決まる前にホテル暮らしが続く時にも便利です。
7.包丁
包丁を売っていない国はなかったのですが、捨てる時に困るのが包丁で、捨てたく無いから、いい物を買って、引っ越しのたびに包丁も一緒に移動するようになりました。
サービスアパートメントですと、何種類もの包丁がついていたりもするのですが、たくさんあるのに切りにくく、野菜や肉は切れずに自分の指を持ってかれそうになります。
包丁は良いもので、自分が使い慣れたものをお持ちになられるのをお勧めします。
8.予備のメガネ・コンタクトレンズ
中国ではコンタクトレンズの購入が処方箋不要で値段も安かったです。購入数によって割引もありました。ベトナムでは扱いはあるのですが、割引にならず、日本より割高な値段設定です。ただ、1枚から買えるので品質のチェックなどをしたい方にとっては手軽に買えます。スイスで暮らしていた時はフランス領まで行ってカルフール内の眼鏡屋さんで購入していました。元から物価が高いスイスではコンタクトレンズの値段のリサーチすらしなかったのですが、フランスで買うのは日本と値段は変わらない印象でした。
ただ、お伝えしたいのは、コンタクトレンズよりも、必ず予備のメガネを赴任前にご用意されることです。外国での暮らしは思わぬ緊急事態や、予想外の理由で紛失や破損があり得ます。黄砂や空気汚染でコンタクトではなくメガネが役立つこともあります。本当にメガネだけは予備がないと大変ですので、必ず予備のメガネを用意なさってくださいね。
9.常備薬
国によっては持ち込めない薬や、医師が発行する証明書が必要な薬もありますが、
胃腸薬、整腸剤、下痢止め、風邪薬、鎮痛剤、消毒薬、うがいぐすり、虫刺されの薬などを持っていくといいです。私の場合は生理痛がひどいので、持って行った鎮痛剤はすぐに飲み切ってしまい、大変困りました。現地で良い薬があったので、それでなんとかなっていますが、やはり飲み慣れている薬が一番なので、気持ち多めにお薬は持ってきた方がいいです。
薬ではないですが、絆創膏、湿布、冷えピタなども実際にあると便利です。
絆創膏はキズパワーパッドなど高機能の商品は外国で売っていたとしても高価であったり、箱は同じでも中身が違ったりなどするので、ある程度持っていかれることをお勧めします。
10.生理用品
生理用品でいうと中国とベトナムは持っていく必要が無いぐらい、日本のナプキンの販売が充実しています。現地スーパーやコンビニでも日本製のナプキンが販売しているので、生活に慣れるまでの量を持っていくといいでしょう。
ただし、タンポンは手に入りにくいです。あっても外国製の物であったり、日本製の物があっても割高だったりします。
スイスなどヨーロッパ諸国ではもちろん生理用品の販売はしているのですが、大きくてゴワゴワしていて、タンポンも日本のように使いやすくはありません。ボディラインに全くあわないオムツと芯のある脱脂綿という品質をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
日本の生理用品は本当にレベルが高く、ナプキンなどは他の荷物のクッションがわりになりますので、できるだけたくさんお持ちになられるのをお勧めします。
その他に個人的に手放せないのはがUNIQLOなどでも販売している吸水ショーツです。海外は安心して使えるトイレを見つけるのがまず大変ですし、生理の時によりにもよって長い会議や出張での長距離移動、イベント参加など発生してしまう時もありますよね。長時間トイレにいかれそうに無い方は、ナプキンとタンポンと吸水ショーツのトリプル使いで防御力が増します。離着任時の長距離フライトの時にもお勧めです。
番外編
トイレットペーパーです。海外ではなく日本国内でも転居の時は必ず手荷物にトイレットペーパーをいれます。
これは初めての一人暮らしで、引っ越し業者が約束の時間通りに来ず、やむなく近所のコンビニにトイレットペーパー買いに行ってる間に、引っ越しトラックが住居に到着し、不在のため怒られた経験から、必ず持っていくようにしています。
そして意外といつでもなぜか役に立つんですよね。
嵩張るので邪魔ですが、1ロールでも手荷物に入れていかれるのをお勧めします。
一時帰国で買い足したもの
実際生活して、一時帰国時に買い足したアイテムがあります。
現地で見つけられなかったものや、あったけれど低品質で日本の値段より高価だったため一時帰国の時に買い足しました。
水切りざる
サラダなどの野菜をしっかり水切りしたくて一時帰国時に買い足しました。
おろし器
外国ではありそうでない、おろし器。見つけられなかっただけのような気もしますが、日本で販売されているものは底に滑り止めがついていたりと高品質で使いやすいです。
卵焼き器
現地でいくらでも買えるだろうと持っていかずに後悔したアイテムです。
特に日本人学校にお子さんが通われる方は、毎日お弁当に用意することになりますのでお持ちになられた方がいいです。
おせちづくりで伊達巻を作る時にも役立ちます。転居先のキッチンの設備は内覧まで分からないのでガス・IH両用の物をご用意くださいね!
まとめ
20年以上、海外と日本を行ったり来たりして、始めの頃は生活用品は現地調達というライフスタイルでやってきました。しかし海外では高価格で低品質な物しか売っていなかったり、安くてもすぐに壊れたりなどがっかりすることが多く、必要なものは日本で調達する形に変わりました。特にスイスでは「この品質でこの値段なの?」と物の調達に大変苦労しました。スイスに悪いイメージが無かったため本当に意外でした。
また、これは国にもよるのですが、変圧器や変形プラグは20年前は必須だったのですが、最近は必ずしも必要では無いと感じてきています。
例えばベトナムでは、ごく一部を除き、ほとんどが220V/50Hzのコンセントになりますが、最近の日本の家電は110V〜220Vに対応しているものが多く、変圧器や変形プラグ無しで、美顔器やシェーバーの充電やドライヤーやコテを使用していました。ですので赴任先の国の電圧やプラグの形を調べて、不要な国には変圧器は持っていかれないでください。変圧器は重くて嵩張りますからね。
家族構成やライフスタイル、赴任される国、留学する国や期間によって必要な物は変わってきますが、日本ほど便利で、高品質なアイテムを低価格で手に入れられる国は他にありません。
必要な物はしっかり準備して持っていきましょう!
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