【海外駐在】どうなるSBI証券口座?実際の手続き方法

海外に駐在することになりました。
開設している証券口座や保有している金融商品はどうすればいいでしょうか?
海外赴任がきっかけでご自身が「非居住者」になった場合、各証券会社によって手続き方法は異なります。
今回は口座開設数840万を超えるSBI証券の場合、口座や金融商品がどうなるか、また実際の手続き方法について深掘りしていきましょう。

海外赴任でiDeCoとNISAはどうなる?

1.海外にいてもできること

SBI証券HP個人のアカウントページへのログイン→OK
株取引→日本証券、日本国債の保有と売却のみOK
貸株→できません。WEB上でご自身で解除の手続きが必要です。
iDeCo口座→iDeCoの掛金拠出と運用の継続OK
NISA・つみたて口座口座→金融商品を売却をしない場合、金融商品は一般口座へ移管されます。
特定口座→金融商品を売却をせずに継続する場合、金融商品は一般口座へ移管されます。
外国株・信用取引・先物オプション取引→出国前に売却か決済が必要です。

海外赴任などの理由により、一時的に非居住者に該当する場合、SBI証券の一般口座での「日本株式」と「日本国債」のみ保有と売却ができます。「外国株」は保有できません。出国する前に売却する必要があります。
一般NISAやつみたてNISA口座、特定口座での保有もできなくなり、一般口座への切り替えが必要となります。
出国後も一般NISAやつみたてNISAで非課税で運用が行われて、非課税での売却益が出た場合、遡及され課税されます。

非居住者とは?

日本の所得税法によると、日本国内に住所を有し、または現在まで引き続き1年以上居所を有する個人を居住者と規定します。この居住者以外の個人は非居住者と規定しています。
簡単に言うと「原則、日本に住んでなければ非居住者」です。
ただし、SBI証券では、外交官の方は「居住者」扱いになり、海外に住んでいても日本国内と同じ取引ができます。一般NISAやつみたてNISAを継続できます。ただし、外交官の家族の方は何故か非居住者扱いになります。

完全に海外に移住する場合は?

海外に完全に移住、または永住する方はSBI証券の口座の保有ができません。口座の閉鎖手続きが必要となります。

2.実際の手続き

書類上の手続きが必要となります。
出国前にサポートセンターに連絡すると書類が送られてきますが、手続き完了のために必要な提出書類が現地に行って3ヶ月経たないと入手できないので、出国前に手続きを完了することができません。

SBI証券から送られてくる書類

・登録事項変更届書
・特定取引を行うものの異動届出書
・常任代理人契約書(本書用と写し用)
・返信用封筒(海外から必要書類を送付する場合は使えないので意味なしです)

SBI証券に送付する書類

・登録事項変更届書1通(記入済み)
・特定取引を行うものの異動届出書1通(記入済み)
・常任代理人契約書1通(写し)
・常任代理人の印鑑登録証明書1通(発行後6ヶ月以内有効)
・在留証明書1通(本人・各国領事部で発行されるもの。発行後6ヶ月以内有効)

常任代理人とは

SBI証券や信託銀行からの連絡、株主総会における議決権の代理行使等のため常任代理人の選任が必要となります。
優待株をされている方は優待品の送り先が常任代理人の住所となります。
SBI証券は常任代理人を選任する際に弁護士を推奨していますが、私の場合は信頼できる家族に常任代理人を依頼しました。
所有している金融資産の額が少ないですし、優待品は家族に楽しんでもらえたらいいなと思っています。
なお常任代理人には金融商品の売買の権限はありません。

在留証明書について

厳密に言うとSBI証券からは「在留証明書」という書類を指定して要求されません。
SBI証券からは「氏名、生年月日、海外住所が確認できる日本国政府の承認した外国政府または権限のある国際機関から発行され、または発給された書類その他これらに類するもの」を1枚要求されます。
私の場合条件を全て備えているものが日本領事館が発行する「在留証明書」だったのでそれを送付したところ手続きは完了しました。
ただし、この「在留証明書」ですが、各国の日本領事館で「日本国籍を持ち、既に3ヶ月以上滞在し、かつ、日本国内に住民登録をされていない方」のみが有料で発行できます。
つまり、海外に行って3ヶ月経たないと申請できないのです。手数料は現地通貨での現金のみの支払いで、料金は日本円に換算すると約1,200円程度です。原則、本人が領事館に来館して申請する必要があります。
国により申請して10分ほどで申請が終わる領事館もあれば、1〜2時間ほどかかる領事館もあります。
時間と気持ちに余裕を持って申請にお出かけください。

手続きのまとめ

私の場合は実際は以下の流れになりました。

1.海外への引っ越しの決定
2.家族へ常任代理人の依頼→快諾
3.SBI証券への電話連絡(出国の8日前でした。反省してます。1ヶ月前までに連絡すればよかったです)
4.常任代理人の住所へ必要書類の送付
5.常任代理人の印鑑証明書の取得(すぐに取得してくれました。ありがたい)
6.各書類は代理での記入は難しく本人じゃないと書け項目も多く、出国当日の朝に書類を常任代理人から受け取り出国。
7.3ヶ月後に日本領事館で「在留証明書」の申請・取得。
8.送付
9.手続き完了

手続きの中で「せっかく常任代理人にとってきてもらった印鑑証明書が期限切れで無効になる!」と焦りましたし、引っ越し先の国で手紙や葉書を投函しても郵便物やEMSが日本にちゃんと届かない国だったので、SBI証券の返信用封筒に必要書類を入れて、日本に一時帰国する友人に託して、日本国内の郵便ポストに投函してもらって、やっと手続きが完了しました。
手続きの完了については、HPでの個人アカウントでのお知らせで連絡がきましたし、アカウントページを見ると、口座の種類が特定口座から一般口座に切り替わっていたので、「ああ無事に手続き終わったんだ」と知ることができました。
常任代理人にも書面できちんと手続きの完了のお知らせが届きました。
やはりSBI証券は対応がキチンとしていて信頼できます。

手続きが終わって、振り返って思うことは「在留証明書」は海外に転居して、住所が決まって3ヶ月経たないと発行できないので、出国前に慌てる必要は全くなかったということです。
そして、まず、自分の手元に必要書類が届くように、スケジュールに余裕を持って手配するべきでしたし、渡航後に日本への一時帰国の予定がたったタイミングで「在留証明書」を申請して、一時帰国後に常任代理人に「印鑑証明書」の取得をお願いして、書類をそろえて返信用封筒にいれて自分でポストに投函すればよかったです。
いろいろと焦ってしまいましたし、家族と友人の手を煩わせて反省です。でも協力してくれた家族と友人に感謝しています。

まとめ

・SBI証券では一時的な非居住者の場合、一般口座で日本証券と日本国債の保有と売却ができる。
・外交官本人は居住者扱いになりNISA口座での運用も継続できる。
・常任代理人はSBI証券では弁護士を推奨してきますが、家族や知人でもOKです。
・書類手続きは出国先で住所を定めて、海外での本人確認書類が必要となります。

手続き完了までに時間がかかるので焦らずゆっくり書類の準備をしましょう。

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