【ピリリと辛いマネーコラム】第4回個人年金保険のしくみ。よく調べると…「ふざけるな!」

人生100年時代。
2019年に金融庁の金融審議会で「老後30年間で約2000万円が不足する」という試算がなされました。
いわゆる老後2000万円問題ですね。
嫌な言葉ですが「長生きリスク」に備えて公的年金だけでは定年後の生活が不安という方も多いと思います。
その不安から現役時代のうちから自分で老後の年金を準備する方法として民間保険会社各社が出している個人年金保険に加入している方も多いかもしれません。
今回は個人年金保険のしくみについて、メリット・デメリットをピリッと辛口で解説致します。

メリット&デメリット

出典:photo AC

例:住友生命の「たのしみワンダフル」個人年金保険

・現在30歳男性
・月々1.5万円(年間18万円)の保険料を60歳まで30年間払い終わると払込総額は540万円
・年金受取総額は約573万円。払戻率は約106%。
・65歳から年間約57万円を10年間受け取る。

 

メリット

1.個人年金保険料控除を受けることができます。

会社員や公務員の方は年末調整で申告するか、自営業の方や会社員や公務員でも必要があれば確定申告する事で控除を受けることができます。
所得税、住民税の節税になります。

2.一応元本保証される。

途中解約する事なく保険料を払いきった場合、受け取る払戻率は100%以上となり元本が保証されます。

デメリット

1.インフレに弱い。

出典:photo AC

上述の例では30年間保険料を払い続けて総額が34万円増えました(540万円⇨573万円)
プラスたった34万円…。ぶっちゃけ、かなりしょぼい。
しかも、さらにインフレです。
当サイトの人気記事「銀行預金は本当に無リスク資産か?」でも書いていますが、資産価値は物価の上昇により目減りします。つまり30年後に34万円増えますと言われても、30年後の物価上昇を考えればむしろ資産価値は下がる可能性が高いです。

2.保険会社倒産リスクがある。

過剰に心配してもしょうがないですが長期間に渡る契約です。
30年後に保険会社がどうなっているか一応リスクとして挙げておきます。
倒産リスクについても過去の記事「民間保険会社が倒産したら保障内容が改悪される?」にまとめています。

3.途中解約すると元本割れする可能性が高い。

個人年金保険は途中解約すると解約返戻金を受け取れます。
しかし高い確率でそれまでに支払った保険料の総額よりも少ない額しか戻りません。
特に外貨建ての場合には手数料などのために契約後短期間で解約した場合の解約返戻金は
「かなり少ないか」か「ほぼほぼない」のどちらかです。
仮に返戻金で利益を得た場合所得税・住民税の課税対象となります。

4満期で受け取る年金にも税金がかかる

解約すると元本割れする…。だから満期まで頑張ろう!
しかし契約者と個人年金保険の受取人が同じ場合、満期後も毎年受け取る年金は雑所得として「所得税・住民税」の課税対象です。
ちなみに契約者と個人年金保険の受取人が違う人の場合は贈与税が発生します。

これが今回一番伝えたい「ふざけるな!」の部分です。

この事に全く言及しない(まさか知らない?)ファイナンシャルプランナーも多いです。
払戻率が低いため節税できる銀行預金感覚で個人年金保険に加入されている方も多いと思いますが、元本はほぼ自分が払ってきたお金なのにそれを返してもらうのに税金がかかるのは納得いきません。

結論

個人年金保険にかけるお金があるなら iDeCoやつみたてNISA!
iDeCoで積み立てた掛金全額は所得控除の対象です。
そして個人年金保険と違ってイデコやつみたてNISAの運用中に得た利益は非課税です。

にほんブログ村 投資ブログへ
にほんブログ村

このサイトは豊かな資産形成の参考となる情報の提供を目的としています。
勧誘や特定銘柄への投資を推奨していません。
投資に関する決定やリスク管理はご自身の判断でなさるようお願い申し上げます

error: Content is protected !!