2024年から新NISAが開始します。新NISAの大きな特徴は「2階建て制度」です。
現行の制度より複雑になります。 この新NISAですが、非課税投資枠、非課税対象、ロールオーバーの3点に注意しなければいけません 。
何をどう気をつける必要があるのか簡単に解説していきましょう。
1.非課税枠
2024年から始まる新NISAは2階建て式のシステムになります。
原則1階部分の投資を行わなければ2階部分への投資ができません。
1階を通らないと2階にいけない仕組みです。
投資経験者はスキップして2階にいけますが、スッキプすると非課税枠が20万円分減ります。
なお、新NISAの施行期間は2024年から2028年の5年間となります。
1階部分
非課税投資枠:年間20万円
投資:積立投資(つみたてNISA対象商品)
2階部分
非課税投資枠:年間102万円
投資:上場株式、株式投資信託など(レバレッジは対象外)
2.非課税対象
1階部分:投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益が非課税の対象。
2階部分:株式・投資信託等への投資から得られる配当金、分配金や譲渡益が非課税の対象。
新NISAの2階部分では上場銘柄が上場廃止基準に該当する可能性のある「監理銘柄」や、証券取引所が定めている上場廃止基準に該当し、上場廃止が決定された銘柄である「整理銘柄」に指定されているものと、「ヘッジ目的等以外でデリバティブ取引による運用を行っているもの」は取引できません。
3.ロールオーバー
NISAのロールオーバーとは
一般NISAは5年経過すると非課税期間が満了となりますが、期間満了のタイミングの手続き期間内に、一般NISAの非課税投資枠で保有している金融商品を翌年の一般NISA非課税投資枠へ移すことで、再度5年間非課税で運用することができます。
翌年の一般NISA非課税投資枠を超えてしまうと、翌年に新たにNISAで非課税での投資はできなくなりますが、金融商品を非課税のままキープすることができます。
この期間満了の一般NISAの非課税分を新しい一般NISA非課税枠移す手続きを「ロールオーバー」と呼びます。
このロールオーバーはNISA口座のある証券会社でご自身で手続きをする必要があり、手続きには締め切りがあり、期限を過ぎてしまうと自動的に「特定口座」か「一般口座」などの課税口座に移管されてします。
締め切り期限は証券会社により異なり、手続き方法もネットでご自身でロールオーバーできる証券会社もあれば、ネットで手続きが完結しない証券会社があります。
締切に余裕を持ってロールオーバーの申請方法について確認しましょう。 また、ロールオーバーをする際に証券会社の変更はできません。引き続き同じ証券会社を利用することとなります。
一般NISAから新NISAへのロールオーバー
一般NISAで保有している株式・投資信託等については、非課税期間が終了した後、新しいNISAの2階部分の非課税投資枠への移ロールオーバーによる継続保有ができます。
ロールオーバー可能な金額に上限はありませんが、2階部分の非課税投資枠(102万円)を超える場合は、1階部分の非課税投資枠(20万円)も使います。保有している金融商品の時価が移管されますので、仮に購入した時に120万円で、移管時の株価により時価が150万円でしたら、150万円が非課税投資枠として移管されます。
この場合122万円を超えているので、その時に新しく新NISA枠での非課税での取引ができなくなります。
また一般NISAで保有している株式・投資信託等のうち、監理銘柄および整理銘柄に指定されているものと、ヘッジ目的等以外でデリバティブ取引による運用を行っているものについては、新NISAにロールオーバーすることはできません。
ロールオーバーできない金融商品は課税口座への移管か、非課税対象である期限内に売りを確定する必要があります。
新NISA1階部分からつみたてNISAへのロールオーバー
つみたてNISAは2042年までの継続が決定しています。そのため新NISAの1階部分で購入した投資信託については、非課税期間が終了した後、つみたてNISAの非課税投資枠へのロールオーバーによる継続保有が可能です。その場合、新NISAでの簿価(当初の購入価格)で移管されます。 つみたてNISAの毎年の投資上限は40万円ですが、新NISAの金融商品の購入時の価格(簿価)が20万円で、ロールオーバー時の時価が40万だとしても、その年のつみたてNISAの消費されるわくは20万円分のみです。そのため20万円分が残りますので、その時に新規に投資することができます。
新NISA2階部のロールオーバーは?
新NISA終了時の新NISA2階部のロールオーバーについは何も発表されていません。
まとめ
2024年新NISAの注意点は非課税投資枠、非課税対象、ロールオーバーのルール変更です。
複雑になりますし、新NISA枠では購入できなくなる金融商品もあります。
また新NISAロールオーバーのルールも1階部分ははっきりしていますが、2階部分は明言されず不確定です。
しっかりと注視して、非課税枠の中で売りのタイミングやロールオーバーをする金融商品を見定めていきましょう。
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