海外赴任でiDeCoとNISAはどうなる?

iDeCoとNISAは口座開設の条件に「日本在住であること」が明記されています。
しかし人事異動で海外に転勤することになったらiDeCoとNISAはどうなるのでしょうか?
続けている資産運用を中断したくはありません。
特にiDeCoは60才になるまで払出ができません。
日本を離れている間の取扱いや口座の管理方法が気になります。
海外赴任でiDeCoとNISAがどうなるか調べてまとめてみました。

①iDeCo

海外赴任の場合

本人

厚生年金に加入した状態が継続されていれば海外在住でもiDeCoの掛金拠出と運用を継続できます。

家族

第3号被保険者(厚生年金保険に加入している方の扶養配偶者)にかぎりiDeCoの継続が可能です。

もし配偶者の方が現地で就業したり在宅などの仕事で扶養の範囲を越えて働き第3号被保険者でなくなるとiDeCoでの掛金拠出はできません。

海外企業に就職する場合

iDeCoでの掛金拠出は出来なくなります
海外企業に就職し海外在住でも日本の国民年金に任意加入することはできます。
しかし国民年金任意加入者はiDeCoの加入資格がないためiDeCoの掛金拠出は不可です。
iDeCoは60才まで金額の払い出しはできません。
この場合は届け出を行い「運用指図者」として既存の積立資産の運用を継続します。
運用資産の管理している信託銀行には最低月66円、年間で792円を支払わなけらばいけません。
帰国後に手続きをし iDeCoへの拠出を再開することができます。

②NISA

平成31年度の財務省税制改正の大綱によると2019年4月1日から5年以内の海外転出なら「非居住者」のNISA口座の維持が認められました。海外転出の前に金融機関に「継続適用届出書」を提出すると積立や運用はできませんが口座は維持されます。
「継続適用届出書」を提出した日から5年を経過する日の年末までに「帰国届出書」を提出することで再び「NISA口座」での運用が可能になります。
しかしこの制度ですが証券会社によっては対応していません。
「非居住者」の条件も証券会社によって異なります。

楽天証券(対応可能)

NISA・つみたてNISA口座の継続保有は出国前の手続きにより最長5年間NISA口座での継続保有が可能です。

NISA ○最長5年間NISA口座での継続保有
つみたてNISA ○最長5年間つみたてNISA口座での継続保有
ジュニアNISA口座 ✖️
NISAロールオーバの申込み ✖️

 

楽天証券の「非居住者」の定義
1年以上にわたる日本以外での居住、または居住予定がある。
期間の定めのない海外転勤、海外留学。

引用元:楽天証券

SBI証券(対応していません)

NISA ✖️
つみたてNISA ✖️
ジュニアNISA口座 ✖️
NISAロールオーバの申込み ✖️

 

SBI証券の「非居住者」の定義
外国にある事務所(本邦法人の海外支店等及び現地法人並びに国際機関を含む)に勤務する目的で出国し外国に滞在する者。
2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者。
本邦出国後外国に2年以上滞在するに至った者。
1年以上にわたり日本以外に居住する者。
期間の定めのない海外転勤、海外留学。
上記に掲げる者で、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞在期間が6ヶ月未満の者。

引用元:SBI証券

マネックス証券(対応していません)

NISA ✖️
つみたてNISA ✖️
ジュニアNISA口座 ✖️
NISAロールオーバの申込み ✖️

マネックス証券の「非居住者」の定義
1年以上にわたり日本以外に居住している、または居住する予定がある者
期間に定めの無い海外転勤、海外留学をする者(マネックス証券では1年未満でも非居住者とみなします)

引用元:マネックス証券

tsumiki証券(対応していません)

NISA口座だけでなく一般口座のサービス利用も全て利用できなくなります。
海外赴任とともに解約となります。

参照元:tsumiki証券

③例外 外交官

外交官本人

SBI証券とマネックス証券の利用者は本邦の在外公館に勤務する目的で出国し外国に滞在する方は居住者」として扱われます。
外交官本人はSBI証券とマネックス証券で口座を開設をしていれば海外に居住してもNISA口座や特定口座で投資信託等の売買が日常的に継続できます。

外交官の家族

SBI証券では外交官の家族は非居住者扱いです。

まとめ

海外赴任者が厚生年金加入者の場合はiDeCoの運用ができます。
NISA口座の維持については各証券会社によって取り決めが異なります。
証券会社によって外交官は居住者扱いになります。
海外赴任の際にはご自身が口座開設をしている証券会社にご確認ください。

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