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社会保険加入の「106万円の壁」撤廃に向けて思う事

2025年5月16日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が第217回通常国会に提出され、衆議院で修正のうえ、6月13日に成立しました。
これにより「106万円の壁」と呼ばれる社会保険加入の収入要件が事実上撤廃されることとなりました。
世間の扶養の範囲で働く人々は結局社会保険料を自分で支払うより、扶養に入っていた方がお得という考えであったから、働き控えやシフト調整があったわけで、これで今後は「しっかり働く」または「完全に専業主婦(夫)」の二つに別れていくのでしょうか?
それでは、今回は社会保険加入の106万円の壁撤廃について、具体的に解説します。

1.いつ撤廃されるの?

社会保険の収入要件は段階的に撤廃されます。
現在、パートなどの短時間労働者が社会保険に加入する際の主な要件は以下の3つです。

・月収8.8万円(年収106万円)以上
・勤務先の企業規模(従業員51名以上)
・週20時間以上の勤務

なお、学生の方は対象外です。

これらの要件は段階的に見直されることになっており、2026年10月には年収106万円という基準が撤廃される見込みです。 さらに、2027年10月には企業規模の要件も撤廃される方向で検討が進められています。

2.特例措置はあるの?

はい、社会保険の適用拡大に伴う労働者の手取り減少や、企業の新たな社会保険料負担への懸念を軽減し、働き控えを防ぎ、人手不足を解消することを目指して、3年間の特例措置が導入される予定です。

具体的な内容は以下の通りです。

特例措置の導入時期: 2026年10月から3年間
対象となる企業: 従業員50人以下の企業、および5人以上の個人事業所(現在の社会保険適用拡大の対象外となっている中小企業が主な対象と考えられます)
対象となる従業員: 年収151万円未満の従業員
制度の内容: 企業が社会保険料の算定対象とならない「社会保険適用促進手当」を従業員に支給することで、従業員の手取り収入の減少を緩和します。この手当を支給した場合、国がその企業負担分の8割を補助します。

3.撤廃のメリットは?

今回の撤廃により、企業の規模に関わらず、より多くの短時間労働者が社会保険の対象となります。
主なメリットは以下の点が挙げられます。

年金増加: 厚生年金に加入することで、将来受け取れる年金額(老齢厚生年金)が増加します。
保障の充実: 健康保険に加入することで、傷病手当金(病気や怪我で働けない期間に支給される手当)や出産手当金、遺族厚生年金などの手厚い保障が受けられるようになります。特に、働けなくなった時の保障が手厚くなるのは大きなメリットです。

4.撤廃のデメリットは?

最も直接的な影響は、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料など)が給与から天引きされるようになるため、見かけ上の年収が増えても、実際の手取り収入が減る点です。
「育児や介護、家事、勉強など、仕事以外の時間的制約もあり、誰もががっつり働けるわけではない」
「社会保険の扶養内で働くのがちょうどよかったのに」
と感じる方は少なくないでしょう。このような正直な感想をお持ちの方も多いと思います。

5.これからどうやって自分らしくバランスよく働ける?

今回の社会保険加入の「106万円の壁」撤廃のニュースを知り、「議論になっている制度って、確実に変わっていくんだな」と改めて感じました。
社会が変化し、制度や環境が変わる中で、それでも私たちは生きていかなければなりません。その中で「働く」ということにスポットを当てるなら、やはり仕事をしていく中で激しく疲労したり、消耗して心が擦り切れたりしてはいけないと思います。
今、携わっているお仕事が楽しくて充実している方は、ぜひそのまま素敵なキャリアを邁進してください。一方で、いまいち納得できない環境の中で我慢して働いている方は、この106万円の壁撤廃を自身の働き方を真剣に考える良いきっかけにできるかもしれません。ChatGPTなどの有能なAIによる自動化が進む中で、ますます人間ならではの創造性、問題解決能力、コミュニケーション能力といったソフトスキルが価値を持つでしょう。この機会に、自分自身に光を当てて、自信を持って既存のスキルを磨き直したり、新しいスキルを習得したりすることも大切になります。社会保険加入の「106万円の壁」撤廃をきっかけに、より良い生き方に舵を切れるよう、一緒に頑張りましょう。

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