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東証再編!?「プライム市場」って何?

東京証券取引所は2022年4月に再編されます。
長く国内大企業のブランドだった「東証1部」の名称が廃止になるんです。
現在の「東証1部」「東証2部」「マザーズ」「ジャスダック」の4つの市場区分は「プライム」「スタンダード」「グロース」に変わります。
再編の狙いは海外の投資家も含め、より多くの投資家が取引しやくするためや特定の株主の影響力を下げるためだと言われています。「プライム→主要」「スタンダード→標準」「グロース→成長」で意味も一目瞭然でわかりやすいですね。
市場再編のスケジュールとして2021年9月〜12月は上場企業が再編後の移行先を選択します。
今回は再編後の「株式市場がどう変わるか」「今どんな事が起きているかを」簡単にまとめてみました。

どんな形になるの?

画像:ASSETS PLUS

現在の東証1部市場は上場社数が2100社を超え、上場企業全体の6割が集中しています。
東証1部上場企業には業績や売買のしやすさを示す株式流動性の観点から投資しにくいという意見があり問題視されていました。
再編後の「プライム」は1部より上場基準が厳しくなります。

プライム上場維持基準

流動性 項目 上場維持基準
株主数 400人以上
流通株式数 2千単位以上
流通株式時価総額 10億円以上
売買代金 月平均10単位以上
ガバナンス 流通株式比率 25%
財務状況 純資産が正であること

そもそも、流通株式時価総額が100億円以下の企業が多いんですよね。
仮に100億円を超えていても、 流通株式比率が9.16%の企業である「ゆうちょ銀行」は親会社である日本郵政が89%もの株を保有しているため、流通株式比率が上場基準を満たせず「プライム落ち」する可能性が高いと言われています。
とはいえ一応「温情処置」があり現在の1部上場企業は希望すれば再編後も当面はプライム市場に所属できます。
仮に東証から不適合と判定されても適合に向けた計画書を開示したり、追加の情報を出すことで再計算を求めることができるそうです。

スタンダード上場維持基準

流動性 項目 上場維持基準
株主数 400人以上
流通株式数 2千単位以上
流通株式時価総額 10億円以上
売買代金 月平均10単位以上
ガバナンス 流通株式比率 25%
財務状況 純資産が正であること

 

グロース上場維持基準

流動性 項目 上場維持基準
株主数 150人以上
流通株式数 千単位以上
売買代金 月平均10単位以上
ガバナンス 流通株式比率  25%
事業計画 時価総額:上場10年以上経過後40億円以上

プライム入りを目指して今何が起きてる?

企業のプライム入りの為に目立つ対策は大株主による売却です。
流通株式比率の引き上げの為に創業者などの大株主が株主を売却する動きが出ています。

今現在行われている「プライム入り」対策

・大株主による株式の売却
・自己株式の消却
・成長戦略など開示充実
・自己株式取得

 

実際に2021年6月に前澤友作氏は保有していたZOZO株の一部705万5900株を市場外で売却しました。
ZOZOのプライム入りの為に流通株式比率をあげる為の決断でした。

まとめ

再編により優良銘柄にしぼられた市場が作られ、投資家にとってプラスになるイメージがありますが、しばらくは「希望すればプライム入りできる」体制なので、名称が変わっただけで実態は変わらない状況が続くかもしれません。
とはいえ、大きな変化です。
先日記事で紹介したアイ・エス・ビー など既にプライム市場に適合したと適時開示で発表した企業もあります。
最終的にプライム入り企業が出揃うのは2022年1月11日。
発表が楽しみですね。


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