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専業主婦(夫)にiDeCoは必要か?

iDeCo公式サイトのデータによると2021年4月時点でiDeCoの加入者数は 1,980,279⼈。 そのうち専業主婦(夫)に該当する第3号加⼊者の人数は 77,284⼈でした。 全体の4%にも満たない加入者数です。 なぜ専業主婦(夫)の加入者数が少ないのでしょうか? 専業主婦(夫)がiDeCoが加入することのメリットとデメリットについて深掘りし専業主婦(夫)にiDeCoは必要か考えてみたいと思います。

①iDeCoとは

出典:photo AC

iDeCo(イデコ)とは

個人型確定拠出年金の愛称です。 将来の自分ために自分で積立てできる「自分年金」です。 第3号被保険者の専業主婦(夫)が国民年金に加えて自分で選択して上積みできる年金で毎月一定の掛け金を積み立てして老後資金を蓄える制度です。 専業主婦(夫)掛金は毎月5,000円から積み立てでき、上限は23,000円です。 年間最大276,000円拠出できます。 仮に30才から加入した場合60才になるまでの30年間で8,280,000円を拠出できます。

掛金の平均額

iDeCoに加入している専業主婦(夫)の約4%が20,000〜23,000円の拠出を毎月行っています。

掛金の変更

掛金の変更は1年に1回可能です。拠出金の増額も減額も可能です。 60才まで毎月積み立てる金額ですので生活を圧迫しない金額を設定しましょう。 60才以降積み立てた資金を「年金」か「一時金」として受け取れます。その際に一定額まで非課税が適用されます。 ※60才から年金を受取る場合 他の公的年金と合算して60万円まで非課税。 ※一時金(30年間積み立てした場合)他の退職所得と合算し1,500万円まで非課税。

②メリット

老後資金の形成になる

現行の年金制度では第3号被保険者の年金受給額はで月額約65,000円(満額)と言われています。 2020年夏に発表された2019年日本人の平均寿命は女性87.45才、男性81.41才です。 女性は7年連続、男性が8年連続で過去最高を更新しました。 「人生100年時代」、「超高齢化社会」を楽しく逞しく生きるにために月額65,000円(満額)では少なすぎると感じた方にiDeCoはおすすめです。

iDeCoでは何を選択できるの?

iDeCoは「定期預金」「保険」「投資信託」の中から商品を選択できます。 自分が積み立てた金額が今実際にどれぐらいの額なのかをシンプルに確認でき、60才になった時に実際に受け取れる金額の数字を把握できます。

iDeCoの手数料

iDeCoは開始時のみ国民年金基金連合会に2,829円を支払います。 その毎月の口座管理のために拠出のある月は最低でも171円、年に2,052円管理費が発生します。拠出をしない月でも最低66円の口座管理用が発生します。

iDeCoって結局何を買えばいいの?

「定期預金」や「保険」では運用益が低く手数料分でマイナスになる可能性がありますので「資産形成」の効率性を考えると「投資信託」のメリットは大きいです。元本割れなどのリスクが怖い方は「投資信託」の商品の中で元本割れリスクの少ない「債券」などの商品を検討すると良いでしょう。運用で資産を増やした場合、60才の受け取りの際に元本はもちろん利益分も一定額まで非課税で受け取れます。

預貯金が苦手な人におすすめ

iDeCoは原則60才まで引き出せません。 ですので預貯金が苦手な方でも毎月自動的に拠出され、その後引き出せないので自動的にその金額の浪費を防ぐ事ができます。 つい銀行口座からお金をおろして使ってしまい、預貯金が今月もできなかったなと反省をしてしまう方にこそおすすめです。

駐在員妻(夫)でもiDeCoを続けられる。

配偶者の仕事の関係で海外赴任になりともに外国で生活することになっても 配偶者が厚生年金保険に加入が継続している場合、駐在員妻(夫)も第3号被保険者となりますのでiDeCoの継続ができます。海外でも拠出が続けられるのは大きなメリットです。

③デメリット

iDeCo最大のメリットである「掛金の全額所得控除」が無関係

扶養に入っている専業主婦(夫)は所得税や住民税を支払いませんのでiDeCoの最大のメリットである「掛金の全額所得控除」の恩恵を受けることができません。そもそもこの「掛金の全額所得控除」はiDeCoの最大にして唯一のメリットですので、このメリットが受けられないのならiDeCoを始める旨みを感じられないと言うのが正直なところです。

60才まで引き出せない

「長所は短所」60才まで引き出せないから強制的に老後資産として運用できるというメリットがありますが、家庭運営の中で、教育費、医療費、介護費などまとまったお金が必要となった時、現金としてすぐに動かせない資産があると言うのは大きなデメリットです。

④iDeCoのデメリットで加入に踏み込めない…どうすればいい?

出典:photo AC

「iDeCoに大きなメリットを感じない」 「60才まで引き出せないのは嫌だ」 「でも老後に備えて何かを準備したい」 そんな専業主婦(夫)の方におすすめなのはつみたてNISAです。

つみたてNISAとは?

毎月1000円から非課税でつみたてが可能です。 運用商品の利益が上がった際には自分のタイミングで利益を確定でき、自由度が高いです。 長期資産形成を目指す方にぴったりの制度です。

対象者:日本在住の20才以上の方
※2023年から日本在住の18才以上の方に変更になります。
1年の投資限度額:40万円
非課税の期間:最長20年間
口座開設期間:2042年まで
買付方法:定期的に継続したもの(積立)
商品:一定の条件を満たす投資信託等
引き出し:いつでも
手数料:なし

  「60才になるまで引き出せない」 「毎月手数料が発生する」 ということがありません。 iDeCoでの資産形成に魅力を感じない方におすすめの運用方法です。

まとめ・専業主婦(夫)にiDeCoは必要か?

「掛金の全額所得控除」のメリットがない専業主婦(夫)にはiDeCoは必ずしも必要ではないという見方ができます。特に配偶者の方がiDeCoに加入していた場合、夫婦そろってiDeCoに加入し家計全体で「60才まで動かせないお金」を増やすのは効率的ではないとも感じます。 iDeCoはあくまで「自分年金」でつみたてNISAは資産運用です。 制度のあり方や性質は異なります。 しかし結局「老後資金の2,000万円の形成」「資産運用運用利回り4%」など明確な目的を定め、非課税などのメリットがある制度をフル活用して自分の資産をどう効率的に運用し管理していくかが重要だと思います。 iDeCoは5,000円、つみたてNISAは1,000円から始めることができますし各証券会社のHPでシュミレーションも簡単にできます。 自分の価値観にあった方法をまずは模索することから始めてみましょう。

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