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大切な人のために最後にできること

いつもASSETS PLUSにお越しいただきまして誠にありがとうございます。
投資歴3年目の「初心者投資家」です。

今回は私が大切な人を見送った際に手続きをした事についてお話をしたいと思います。
いつものASSETS PLUSの記事とは異なり個人的な内容になります。
葬儀に関わるテーマになりますのでご承知おきください。

大切な人の余命宣告

私の大切な人は夏はインラインスケート、冬はスキーととても行動力がある人で明るく話好きな人でした。
外国語や歴史、トレンドのスポットや新しい事も大好きでした。
インターネットを駆使し、確定申告 もe-taxで申し込み効率的に物事を進める人でした。
好奇心旺盛で活発であると同時に家族同士でも甘えたり、もたれかかったり、狡さやサボりを許さない厳しい人でした。
2019年の5月に尿管癌が見つかり6月に内視鏡手術を受け手術は成功しました。
しかし11月の検査で肝臓への転移がわかり3ヶ月の余命宣告を受けました。
そして医師の余命宣告通り2020年2月に亡くなりました。
新型コロナウイルスの感染拡大が激化する前のタイミングでした。

余命宣告後に大切な人がしたこと

廃車手続き
スキー板などリセールバリューのある品物を売却
スポーツジムの退会
英会話教室の退会
クレジットカードの退会
各種名義を家族の名義に書き換え
2019年度確定申告
家族内でお金について話し合い
葬儀場と葬儀会社の決定
「身近な人が亡くなった後の手続のすべて 」の購入

 

2019年度確定申告

本人が亡くなった後3日後に還付金が振り込まれました。最後までお金の事に関してきちんとした人でした。

家族内でお金について話し合い

明確に方針を決めて結論のみ通達されました。

葬儀場と葬儀会社の決定

親戚の葬式に参列した後に「自分もすぐにお世話になるから」と葬儀社の担当者から名刺をもらいました。葬儀社の方の心中も複雑だったと思います。

身近な人が亡くなった後の手続のすべて

実際に2冊購入しました。1冊は本人が熟読、もう1冊は残される家族の1人が代表して読むように指示しました。この本につきましては「情報量が多すぎて簡潔ではなかった」「地方自治体によって手続きは多少異なる」という点がありました。しかしこの書籍を通じて「今何をすべきか」「今何ができるか」「今何を話し合うべきか」が明確になりました。

今もとても感謝しています

大切な人は余命宣告後、亡くなる3週間ほど前までは非常に元気に見えました。
甘えたり弱味を見せる事を極端に嫌う人だったので、心の奥底には死への恐怖や苦しみがあったかもしれませんが心中を語ることはありませんでした。
今の時点で何ができるか何をすべきかを冷静にリストアップしてこなしていきました。
重視したことはこれから生きる人たちがやるべき事を優先すること、世界を広げて幸せに生きることでした。
最後の最後で「現状に向き合い、弱音を吐かずに考え、ベストを尽くす」という生きる姿勢を見せつけられました。
いまだにあの3ヶ月は大切な人が家族全員のために示した教育だったと考えています。
「どんな状況でも無知を言い訳にしてはいけない、思考を停止してはいけない、最善を尽くさなければいけない」
今後生きる上で大切な考え方を最後に贈られたと考えています。

大切な人の危篤

大切な人が住んでいた地方と私が普段住んでいるところは遠く離れています。
公共交通機関と飛行機を乗り継いでも最短で5時間以上かかります。
危篤の一報を受けてた時もすぐに駆けつける事ができませんでした。
私は次の日の朝一番飛行機に乗って病院に向かいました。
大切な人は意識は少しもうろうとしていましたが話すこともできました。
病室で横たわっていても家族に甘えない様子で本当にいつも通りでした。
私は「人は簡単には死なない」という考えを持っていたので病院側から
「葬儀社の連絡先はご存知ですか?」
「今は患者衣ですが出られる時は患者様の部屋着が必要になります」
と言われた時もピンときませんでした。
その時点で葬儀社の連絡先も部屋着も家にある状態だったので、私が取りに行きました。
そうして病院を離れている間に私の大切な人は旅立ちました。

葬儀

病院から死亡診断書を受け取り葬儀社に連絡後、大切な人とともに病院から家に戻りました。
家族や親戚に連絡、葬儀所や火葬場のスケジュールを抑え、通夜や葬儀の日程を決めていきました。

葬儀前の手続き

死亡届(7日以内)

提出期限

死亡の事実を知った日から7日以内に住所のある市区町村の担当窓口に提出します。
提出期限がすぎると戸籍法の第137条により5万円以下の罰則が科されます。

必要書類

届書1通、死亡診断書、届出人の認印

火葬許可申請書

死亡届を出す同じタイミングで申請をします。
事前に火葬場と日程を決める必要があります。
なお、死後24時間以内の火葬は法律で禁止されています。

私の場合は葬儀の日程が固まった後に葬儀社に依頼し死亡診断書と印鑑を預け代行で死亡届及び火葬許可申請書の申請を行いました。

葬儀後の手続き(14日以内)

届出先→市区町村

葬儀後の市区町村での手続きは各自治体で高度にマニュアル化しています。
各窓口で各手続きを順番に申請する形になります。

世帯主変更届の提出

世帯に残った人が1人だけの場合など提出する必要がない場合もあります。

健康保険等の資格喪失手続

国民健康保険

亡くなられた世帯主の家族も国民健康保険に加入していた場合は、家族全員分の保険証も返却します。世帯主と被保険者証番号の書き換えが行われます。自治会によって異なると思いますが、私が手続きに立ち会った際には書き換え後ほぼ即時で家族の新しい保険証が発行されました。

健康保険

亡くなられた世帯主が会社員・公務員で健康保険に加入していた場合は、扶養に入っていた家族の保険証も無効になります。死亡した世帯主の健康保険の資格喪失手続きは勤務先で行います。その際に家族全員の保険証を返却しなければなりません。残された家族は国民健康保険に加入するか世帯に健康保険に加入している会社員・公務員がいればその人の扶養に入るなどの選択肢があります。
介護保険、後期高齢者医療制度を利用している場合も保険証の返還が必要です。

届出→年金事務所

年金の受給停止手続き

年金受給者の方が亡くなられたら受給停止の手続を行う必要があります。

その他手続き

亡くなった方の戸籍謄本の取得(出生から死亡まで)

相続手続きのために必要です。
相続人の確定のために出生から死亡までのすべての連続した戸籍謄本を集めて調査しないと証明できないからです。亡くなった人の死亡の記載がある戸籍謄本または除籍謄本を取り寄せて戸籍記載事項を読んで、1つずつ順番に戸籍を遡って本籍地の市区町村役場に請求して出生までの戸籍謄本を取得します。
また戸籍謄本の「死亡」の記載は届出から反映されるまで3日ほどかかります。
反映までの期間は各自治体によって異なりますのでご確認ください。

亡くなられた方の銀行口座

遺族が銀行に連絡することにより故人の銀行口座が凍結されます。死亡届を受理した市区町村と銀行は連携していません。
実際に葬儀の最中に何人かが耳元で「銀行口座凍結してるでしょ?お金大丈夫?」「凍結前にお金はおろした?」と囁かれました。このことについては勘違いされている方が多いのかもしれません。
銀行は遺族が申し出ない限り口座を凍結しませんので、葬儀の際に不安を煽るようなことを言い出す人がいても耳をかさないでください。

銀行口座の凍結について

口座預金は名義人が亡くなると相続財産となります。複数の相続人がいる場合、勝手に相続財産である預金を引き出すと遺産争いの原因になります。トラブルを回避するために遺族が銀行に申し出て口座を凍結させます。
しかし民法改正により相続人はほかの相続人の許可を得なくても故人の口座から預貯金を引き出せます。
ひとつの銀行につき引き出し上限は150万円です。
引き出し額は「故人の預貯金×3分の1×その相続人の法定相続分」で求めることができます。
仮に相続人が3人いて銀行口座に1,000万円がある場合
「1,000万円×3分の1×3分の1」となり「111万円」まで引き出せます。

上限額150万円を超える額を引き出す場合、家庭裁判所へ申請し引き出しの許可を得ます。
引き出しをする際には「亡くなった方の戸籍謄本」「亡くなった方の除籍謄本」「相続人全員の戸籍謄本」「引き出しをする相続人の印鑑証明書」の4点が必要です。書類があれば他の相続人の許可は不要ですが事前に相談をしておくといいでしょう。

亡くなられた方の運転免許証

警察署や運転免許センターに返納することをいいます。死亡診断書など亡くなられた事を証明する書類を持って申請書類に記入して提出することで完了します。形見として免許証を持ち帰りたい場合は窓口でお申し出ください。

亡くなられた方の携帯電話の解約

亡くなられた方の死亡届や解約手続きの代理人などの身分証明書を各キャリアの
窓口に提出して解約手続きを行います。各キャリアによって必要書類が異なりますし、代理人が二親等内の親族でなければいけないところもありますのでご注意ください。

埋葬料と葬祭費(亡くなられてから2年)

埋葬料

全国健康保険協会が運営する健康保険や各種健康保険組合の加入者が亡くなった際に給付されます。金額は5万円です。

葬祭費

葬祭費は国民健康保険の加入者または扶養家族に適用される給付金です。名称は異なりますが性質は埋葬料と同様です。
支給額は定額で5万円ではなく、自治体によって数万~約7万円給付されます。

申請方法

埋葬料
申請者:喪主など葬式を主催した人、埋葬を行った人。
必要書類:健康保険埋葬料、支給申請書、死亡診断書のコピー、埋葬許可証、葬儀社の領収書。
申請先:社会保険事務所または健康保険組合。

葬祭費
申請者:喪主など葬式を主催した人、埋葬を行った人。
必要書類:国民健康保険葬祭費支給申請書、保険証、葬儀社の領収書。
申請先:市区町村

国保だと加入者が亡くなったときは保険証を返却する必要があります。
返却の手続きの際に窓口になる自治体でまとめて葬祭費の案内がされる事が多いです。

まとめ

「亡くなられた後の話」や「お金の話」は家族や親しい間だからこそ話題にしにくいテーマです。
しかし何の心の準備がない時に突然大切な人を見送らなければいけなくなるかもしれません。
「大切な人のために最後にできること」はお互いにきちんと今後の事を話し合い、どれだけ大切だと思っているかと気持ちを伝える事だと考えています。
また、なぜか葬儀の時には思わぬ人が大きな声で自分の意向を通そうとしたり、
「手続きが大変だから手伝う」といって金銭を要求してくる人もいます。その際にきちんとした知識を持っていれば不要な事に惑わされるリスクを回避し精神的なダメージを軽減できます。
悲しむ間もなく何をすべきか考え決断し行動しなければいけませんが、その時忙しさに追われたとしても大切な人との思い出や絆が壊れるわけではありません。
最後になりますが、この記事を読んでくださった方の中にはこれから葬儀や手続きを行う方がいらっしゃると思います。
この度は、思いがけないことでさぞかしお力落としのこととお察しいたします。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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