近年子ども1人あたりの教育費は約1,000万円以上と言われています。
教育資金はどのような方法でどれくらい準備すれば良いのでしょうか?
今回は文部科学省の教育費調査結果データをもとに幼稚園から大学までどれぐらい
教育資金がかかるのか、教育資金の準備方法など調べてまとめてみました。
文部科学省の教育費調査結果データ
幼稚園から高等学校卒業までの15年間の学習費総額
公立 | 私立 | |
幼稚園(3年) | 649,088円 | 1,584,777円 |
小学校(6年) | 1,926,809円 | 9,592,145円 |
中学校(3年) | 1,462,113円 | 4,217,172円 |
高校(全日制3年) | 1,372,072円 | 2,904,230円 |
大学4年間の学費総額調査結果
国立大学 | 私立大学 | |
入学料 | 282,000円 | 249,985円 |
初年度授業料 | 535,800円 | 904,146円 |
4年でかかる学費 | 2,425,200円 | 3,866,569円 |
出典:私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
預貯金による蓄財
出典:photAC
メリット
毎月決まった金額を貯蓄をし、いつでも必要なタイミングでお金を引き出せます。
デメリット
貯蓄が苦手な人には向かない
教育資金以外の理由でお金を使ってしまう可能性があります。
金利が低い
メガバンクの普通預金の金利は0.001%。定期預金の金利0.002%と非常に低いです。
将来のインフレには対応出来ない
必要なタイミングで物価が上昇すると貯蓄していた預貯金の価値が目減りします。
学資保険
学資保険には「貯蓄型」「保障型」があります。
貯蓄型には医療特約や育英年金といった特約がついていませんが貯蓄に特化しているため元本割れリスクが比較的低いと言われています。
保障型は契約者である親が亡くなった場合、育英年金や死亡保険金が受け取れるものや子どもが怪我や病気をして入院した時に保証されるこども医療特約があります。
いろいろと保障内容が付加されるため保険料が高いうえ返戻率は低く元本割れする可能性が高いです。
メリット
万が一の時の保障になる
契約者(親)が死亡、高度障害となった時に保険料払込が免除され満期祝金や入学祝金は契約の通りに受け取ることができます。
節税ができる
学資保険は生命保険の一種ですから支払った保険料は生命保険料控除の対象です。
会社員の場合は年末調整の時期に保険会社から控除証明書が送付され、それをもとに控除額を申告します。自営業者は確定申告で控除額を申告します。
デメリット
返戻率が低い
返戻率とは保険料の総額に対して「受け取れる満期保険金・学資金の割合」です。
計算方法
返戻率(%)=(受け取れる学資金などの総額÷払い込んだ保険料の総額)×100
返戻率が100%を超えていれば、払い込んだ額よりもお金が増えて戻ってくることになりますが、返戻率100%の以下のプランも数多く存在するので注意が必要です。
「出生前から契約する」「一括して支払う」という条件があれば利率が高くなりますが近年、低金利の影響を受けて、返戻率の水準は軒並み下がっています。高くても110%前後というのが、学資保険の返戻率の相場です。契約の中にこども医療特約などが入ると返戻率が70%前後になります。
保険会社の倒産
加入した保険会社が倒産すると契約内容が改悪され受取金の金額が減額になる可能性があります。
中途解約すると元本割れする
満期まで解約できないため、まとまったお金が必要な際に中途解約をするとそれまで払い込んだ金額より減額された金額が返戻金として振り込まれます。
将来のインフレには対応出来ない
預貯金と同様で必要なタイミングで物価や学費が上昇していたら貯蓄していた返戻金の価値が目減りします。
投資
大学入試時期等を想定して中長期で運用し資産を増やす方法があります。
特につみたてNISAでの資産運用がおすすめです。
夫婦でそれぞれつみたてNISA(1年の投資額上限40万)の口座を開設すると20年の運用で最大1600万の資金を手数料0、非課税で運用できます。2023年に廃止されますがジュニアNISA(1年の投資金額上限80万)での運用もおすすめです。
運用成績次第で予定していた教育費に到達しない可能性や元本割れするリスクはありますが、債券などの元本割れリスクが低い金融商品に投資するなど多くの選択肢があります。また急に資金が必要になった時や株価が上がった時など好きなタイミングで売りを確定させ現金で引き出しができます。非常にフレキシブルな形で教育資金を蓄財できます。
奨学金
独立行政法人が運営する制度や各種学校が独自に定めるものなどいろいろな奨学金制度があります。
日本学生支援機構の奨学金は日本学生支援機構、給付型奨学金、第一種奨学金、
第二種奨学金があります。本人の学力と家計支持者の所得による判定があります。
メリット
返還の有無や利子の有無も制度により異なりますが、有利子の場合でも一般的な教育ローンと比較すると低金利です。
デメリット
返済が必要な場合子どもに負担が発生します。
親の所得制限がある制度があります。
贈与
教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度
孫や子ども等の直系卑属に対する1,500万円までの教育資金の贈与が非課税になるという制度です。この制度は2013年4月1日から2023年3月31日まで利用できます。
適用対象者
贈与者→父母、祖父母
受贈者→約30才未満の子や孫
非課税額の上限
①学校に支払う入学金や授業料→1,500万円
②塾、レッスン、通学定期、留学渡航費など→1人につき500万円
①、②を合計して受贈者1人につき最大1,500万円の贈与が非課税となります。
まとめ
教育資金の形成は預貯金による蓄財、学資保険による保障、投資による資産運用、奨学金の申請、非課税制度を利用した贈与などいろいろな選択肢があります。それぞれの方法には良い点や難しい点がありますがライフスタイルに合わせて有効な方法を取り入れて上手に教育資金を形成しましょう。
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